ファッション系Eコマースにおける「商品写真」のあり方について、今一度よく考えてみよう
実際に手に取れない商品を購入する場であるEコマースにおいては、掲載されている情報を真剣に吟味して、出来れば失敗はしたくないというのは全EC利用者における共通意識のはず。もちろんユーザーに買ってもらうためには、できる限りの情報を掲載していくべきだと思うけど、今回は購入検討の際に重要視されている「商品写真」について今一度考えてみたいと思います。
Eコマースにおいてユーザーが購入検討の際に重視しているのは「商品写真」
少し前のJストリームの調査データ(参考サイト:オンラインショッピングに関するユーザー動向調査(n=1,000))で気になる調査結果が出ていたのだけど、オンラインショッピングを利用する際の不満として「掲載されている情報だけでは、購入すべきか判断ができなかった」という回答が約半数という結果に。
情報と言ってもいろいろあるとは思うけど、Eコマースにおいてやっぱり一番大切な”購入”の検討の際に重視しているものとしては「商品画像」が約7割というダントツの調査結果。
もちろんユーザー視点で考えると商品写真は多いにこしたことはないし、運営サイドの視点だとあまり1商品あたりの撮影コストをかけれないし…なんていうリアルな現実もあったりする。
でも、例えばZOZOTONWのとある商品ページを見てみると、カラーバリエーションを含め16枚の商品画像が掲載されている。

この点数を多いと取るか、少ないと取るかは人それぞれかもしれないけど、日本のファッションEコマースサイトにおいてこの枚数は個人的には十分多いよ!って思うんだけど。こういう調査結果を見てしまうと、もっとどこも頑張らないといけないってことなのかもしれない。
韓国系ファッションEコマース「dholic」の雰囲気商品画像
そこでちょっとお隣の国の様子を見てみたいと思うんだけど、韓国系のファッションEコマースサイト「dholic」をみなさんはご存知?
私自身も韓国系ECサイトの代名詞として説明に使うことが圧倒的に増えたし、周りでも名前のよく挙がる、日本にいながら韓国の洋服を買うことのできるEコマースサイト。最近では女性誌でも取り上げられているのを見かける程で、女性の間ではそこそこ知られているサイトではないのかな?ちなみに元々は2~3年くらい前に楽天のショップからスタートしたサイトだったはず。

で、このdholicの最大の特徴が写真点数の多さ。1商品に対する画像量が日本のそれとは比較にならないくらい多いんです。

例えば上のコートのページだとこんな感じ。ひたすら縦長のいわゆる”楽天形式”なんだけど、画像クオリティが高く、カタログやファッション誌を見ているかのボリュームがある。ちなみにほぼすべての商品が似たような商品画像量で、もちろん詳細画像もちゃんと用意してあるし、レビュー機能だってついている。ファッションの好きな女性だったら、1時間くらい余裕で過ぎてしまうんじゃないのかな。これはサイト内平均滞在時間を是非知りたいレベル。
ちなみに、このdholicの表現方法は韓国系ファッションEコマースに比較的共通する表現手法で、別にここだけが珍しいということはないです。それを象徴するかのように、ソウル市内のオシャレエリアを平日歩いているとかなりの頻度で撮影に遭遇。街中だったり、カフェの中だったりととにかく撮影チームがうろうろ。モデルさんとカメラマンさんマンツーマンだったりするのもあって、サイトの規模感にもよってくるのかなと。
なんとなく韓国系ファッションEコマース(の写真の撮り方)に共通しているのは、スナップっぽい空気感の写真の着用アイテムが、なんとここでは買えちゃうんだよ!みたいな感じと表現するとわかりやすいかもしれない。
服を雰囲気で見せることに挑戦しているセレクソニックの姉妹サイト「selec+me」
で、日本国内でもこの韓国系ECサイト風の撮影方法に挑戦してみているのが、昨年の11月にローンチされたセレクソニックの姉妹サイトselec+me内のスタイルブック。セレクソニックで取り扱う商品×韓国人モデル×韓国ロケをという合わせ技をやってのけている。もちろん向こうの会社との協業なんだろうけども。

まだまだ個別の写真の枚数が少ないところは残念だけど、なかなか興味深い動きなんじゃないのかな。
これ以外にもシーズン毎のカタログなんかが該当するにはするんだけど、Eコマースはやはり雰囲気100%でもいけなくて、ちゃんとした商品説明があってこそ。そのバランスが上手く取れているようなところが着地点なんじゃないかな。
商品情報として見てもらいたいものは「服の詳細」なのか、「服を着た雰囲気」なのか
要するにファッション系Eコマースの場合、商品画像といっても「商品の詳細を説明する画像」なのか、「服を着た雰囲気をイメージさせる画像」に大きく分かれるということになってくる。どちらも必要なのは当たり前だけど、今は圧倒的に「商品の詳細を説明する画像」が多いというのが実情なのではないかと。
その辺りのニーズを解消するべく、ショップスタッフのコーディネート画像を使ったアプリやサイト、ブログなどが増えているともいえるんだけど、正直Eコマースに自然に馴染ませることが出来ているところはまだまだ少ない。
Eコマースサイトではないけど、例えばスナップサイト「ブリジット」の写真の雰囲気は従来のスナップサイトとは少し違う感じで面白い事例。コーディネート単体というよりも、「服を着ている人の雰囲気」をフューチャーすることで他のスナップサイトとは一線を画すイメージができているよね。

そんなわけで、「詳細」と「雰囲気」の絶妙なバランスの取れたEコマースがそろそろ出てきても面白いんじゃないのかなと。商品の見せ方は別にテンプレ通りである必要もないし。でもEコマースサイトにおいては「売る」ことが目的である以上、アーティスティックな方向に走りすぎても本末転倒だけどね。












